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設備のいろいろ ③・投影機のいろいろ

投影方式による違い:ピンホール式、光学式、デジタル式

丸いドームにきれいな星空を描き出すのがプラネタリウムの本体投影機です。
この本体にもさまざまなタイプがありますが、星を映し出す方式で考えると、「ピンホール式」、「光学式」、「デジタル式」の三つに分けられます。

ピンホール式プラネタリウムピンホール式とは読んで字のごとく、本体に小さな穴を開け、それを内側から照らすことで星空を投影する方式です(穴から漏れる光がそのまま星像になります)。ごく小さなプラネタリウムに用いられる方式で、学園祭の自作プラネタリウムでもよく見かけますね。日本のプラネタリウム施設でお目にかかる機会はほとんどありませんが、アメリカのスピッツ社ではピンホール式と光学式を組み合わせた大型プラネタリウムも作っています。(写真は1960年代初頭のプラネタリウムです)

光学式とは恒星原板とレンズを用いて星を投影する方式で、現在日本で最も多いのがこのタイプです。光学式はさらに、制御方法によって「アナログ型」、「スペース・シミュレーター型」に分けられます。光学式に関しては次の項で詳しくご紹介しましょう。

そしてデジタル式は、星をCGによる映像としてプロジェクターで投影する方式です。ドームの真ん中に置いたプロジェクター一つで投影するタイプ(主に小型館)の他に、複数のプロジェクターで全天をカバーするタイプ(中~大型館)もあります。星空の美しさは光学式にはかないませんが、映像の自由度が高く、見ごたえのある番組を作ることができます。

なお最近は光学式とデジタル式を併用し、美しい星像とデジタル式の自由な映像展開を兼ね備えた「ハイブリッド式」のシステムが大型館を中心に普及し始めています。

光学式もいろいろ:アナログ型、スペース・シミュレーター型

ダンベル型プラネタリウム先にお話したとおり、光学式のプラネタリウムには、アナログ型スペース・シミュレーター型があります。

アナログ型とは、天体の位置を歯車の組み合わせで再現する投影機で、現在(※)日本で最も多く普及しているタイプです。(※このサイトを公開した2009年当時)

アナログ型にはさらに、形によって「ダンベル型」(ツァイス型と呼ぶ人もいるかもしれません)と、お団子を二つ串刺しにしたような「モリソン型」があります。

ダンベル型は「これぞプラネタリウム」という形。かつて渋谷にあった五島プラネタリウムなどでご覧になった方も多いことでしょう。
ダンベルの球にあたる部分が恒星を映し出す「恒星球」(あるいは恒星投影機)で、その二つをつないだ軸上に惑星を投影する「惑星投影機」が並び(この部分を惑星棚と呼びます)、その他にも本体に付随する投影機が付いています。

モリソン型プラネタリウム一方モリソン型は、恒星球が内側に、惑星投影機が外側につけられています。重い恒星球が回転軸の中心に近いことで、安定性がよいと言われています。日本最大のメーカーである五藤光学研究所のアナログ型投影機はモリソン型のものが多いので、ダンベル型よりモリソン型になじみがあるという方も多いかもしれませんね。

アナログ型に対し、コンピュータによる演算で天体の位置を再現するのがスペース・シミュレーター型です。(あまり使わない言葉かもしれませんが、ここではそう呼ぶことにします)

アナログ型では時間をかけて設定するしかなかった「○月○日○時の空」といった命令を、スペース・シミュレーター型では瞬時に実行できるなど、プログラム上の自由度が格段にあがりました。

スペースシミュレーター型プラネタリウムこのタイプは惑星棚が本体から分離し、惑星投影機は本体の周辺に独立して配置されています。ドームの真ん中に一球式の(または惑星棚のない)投影機があり、周りになにやらその他の投影機が並んでいるのはスペース・シミュレーター型の投影機でしょう。比較的新しい施設で多く見られます。

また、先にお話したハイブリッド式は、スペース・シミュレーター型とデジタル式を組み合わせたシステムになっています。

その他、アナログ型とスペース・シミュレーター型の中間のような機種もあります。また一球式の恒星球に小さな惑星棚が付属するスタイリッシュな光学式投影機も見られるようになりました。
プラネタリウムに出かけたら、そこの施設ではどんな投影機が使われているのか、観察してみてくださいね。

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