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設備のいろいろ④・座席のいろいろ

ドームの形や投影機ほど注目されませんが、プラネタリウムは座席の配列にも違いがあります。

画像・同心円配列の座席水平型のプラネタリウムには、「同心円」と「扇形」の配列があります。

昔ながらの施設に多いのが、真ん中の投影機を中心に同心円状に並んだ配列です。

この配列では、どの席からも実際の夜空を見上げたときのように、頭上を広く見渡すことができます。係員による生解説が主体となった番組では、ゆったりと星空を楽しむことができるでしょう。

その反面、星空以外の映像が多く使われる番組では、映像が頭の真後ろになって見えにくい席ができてしまいます。
また、いわゆる「季節の星座」は主に南の空に見えるため、南の空を背にして座る席では、やはり見えにくい場面が多いかもしれません。

画像・扇形の座席そのため現在多くの施設で取り入れられているのが扇形(※1)の配列です。

映像は主に、季節の星座が見えるのと同じ南側に投影されるため、すべての座席から南側が見やすいように配置しています。丸いドームの中で、皆が同じ方向を向いて座ることになります。

学習のための投影で北側の空をじっくり観察をしたい場合などに、扇形ではどの席からも北側が見づらくなってしまいますが、そのときには本体投影機を回転させ、北側の空が正面に向くようにすることも多いようです。

ただし、南側の手前の席や壁に近い席は、ドーム全体を見渡しにくいという欠点もあります。

傾斜型のドームは階段状になった座席に並んだ「一方向傾斜型(※2)」の配列になっています。
大きい映画館では、座席の後ろのほうが階段状になり、どの席からもスクリーンが見やすくなっているところがありますね。ドーム全体があのような具合になっていると考えればわかりやすいでしょう。

傾斜ドームの様子傾斜型のドームでは、正面が見やすく、また視界全体が映像で覆われるため、水平型にはない演出を楽しむことができます。しかし、傾斜ドームの性質上、北側の空が見えにくいという欠点があります。また、座席も水平型ほどリクライニングしない場合もあり(そもそも頭の後ろには星が見えないので)、水平型に慣れた人には、少し違和感があるかもしれません。

このように、座席の配列はそれぞれ一長一短です。どれがよいかは人によって、また番組によって、それぞれでしょう。座席を設計したばかりの新しい施設では、今後どのような番組を投影していくかなどの基本姿勢が現れているかもしれませんね。

※1,2 最近は「扇形」の座席配列を「一方向」とし、また「一方向傾斜」を「傾斜」と表記することがあるようです。このサイトでは従来のまま、それぞれ「扇形」「一方向傾斜」と表記しています

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