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楽しむコツ・基本編① 見やすい席を選ぶ

映画館なら、どこが「いい席」かすぐにわかりますが、丸いドームの中ではちょっと迷ってしまいますよね! ここでは、一般的にどのあたりが「見やすい席」なのかをご説明しましょう。

どのタイプのプラネタリウムでもいえること

プラネタリウムは座席配列ドームの形もいろいろですが、どのタイプにも共通する、席を選ぶ際の注意事項があります。
それは、「本体投影機に近づきすぎない」「南側(ドーム前方)に行きすぎない」ということです。

「本体に近づきすぎない」というのはなぜでしょう?

プラネタリウム本体が邪魔になるプラネタリウムでは丸いドームに星を投影して星空を再現しているため、ドームの真ん中、つまり投影機に近いほど、星空がゆがみなく見えます
その反面、水平型ドームで大きな投影機を使用している場合には、本体そのものが邪魔になり、星や映像がよく見えないということがあるのです。(※追記あり
特に、本体のすぐ真後ろ(真北)は、季節ごとの星座が映し出される南の空がよく見えなくなってしまうため、なるべくなら避けたほうがいいでしょう。
ドームの真ん中に近く、かつ本体が邪魔にならない、程よい席を見極めるのがポイントです。(といっても難しいですよね!)

傾斜型の施設では座席が階段状に配置されているため、どの席に座っても、本体はさほど邪魔になりません。ただし投影機が近い席では、投影中に本体や補助投影機の音が大きく聞こえることがあります(水平型も同様)。 静かに星空を楽しみたいときには、快適とはいえないかもしれません。

「南側に行きすぎない」というのは、簡単に言えばドームが見渡せなくなってしまうためです。後ほどそれぞれのタイプごとにご説明します。

また、良い席として「コンソールに近い席」があげられることがあります。
これは、コンソールが北側の壁際、南の空が見やすい位置にあることからそう言われるのですが、実際には西側や東側に位置することもあります。またコンソールを取り囲む壁や、そこから漏れる光が邪魔になることもあり、単純に「コンソールの近くが上席」とはいえないかもしれません。実際のドームで状況を確かめてくださいね。

見やすい席・扇形の場合

まずは一番多い扇形の座席配列について。

プラネタリウムでは、季節ごとの星座にしても解説の映像にしても、南側に投影される場面が多くありますので、基本的に南側がよく見えるのが見やすい席です。

プラネタリウム・扇形タイプで見やすい席扇形の配列は、どの席も南を向いているため比較的見やすいのですが、壁に近い席ではドームが左右にゆがんで見えるという欠点があります。たとえば東側の壁に近い席では東側がすぐ横に迫って大きく、西側が遠く小さく見える、という具合です。

また、南側が見えやすいほうが良いといっても、南(この場合前方)に行きすぎると、前方の壁面が目の前に迫り、天頂は頭のはるか後ろになって、星空全体を見渡すことが難しくなるのです。

つまり見やすい席は、扇形の場合、「本体に近すぎない」、「南に行きすぎない」に加えて「壁の近くではない」席。
また多くの場合、北側の星空はそれほど紹介されないため、北側が少々見づらくても、あまり問題にはなりません。番組全体を考えればドームの後ろ側のほうが、星空も映像も見やすくなります。

仮に図のようなドーム(中~大型館をイメージ)があったら、青い色の席が見やすい席になりそうです。

※ 図はあくまで架空のドームであり、見やすい席は、ドームの大きさや本体投影機の大きさなど、様々な要素で変わってきます。近ごろは、あまり視界を妨げないコンパクトな投影機や、ドーム内に投影機がないデジタル式のプラネタリウムも増えています。実際のドームで確かめてみてくださいね!

見やすい席・同心円の場合

扇形の例で、プラネタリウムで見やすい席がどこなのか、イメージがわくようになったことでしょう。

同心円の場合も同様に考えればいいのですが、少し違う面もあります。
すべての席が真ん中を向いているため、壁に近い場合も壁を背にすることになり、左右のゆがみは扇形ほど気になりません。
それよりも注意が必要なのは、南側の座席は南を背にすることになるため、季節の星座や映像が扇形以上に見づらくなるということです。

プラネタリウム・同心円タイプで見やすい席いくらシートがリクライニングしても、頭の真後ろの映像を見るのは大変ですよね。 できる限り北側の、それも本体の真後ろではない席を選んだほうがよさそうです。

こうして考えると、同心円の配列は扇形に比べて見やすい席が少ないような気もしますね。

とはいえ同心円タイプは、南の空の見えやすさにこだわらなければどの席からも星空がさほどゆがまずに見えるというメリットもあります。たとえば「とにかくゆっくり星空を眺めたい」というような人は、扇形配列の壁際や前方に座るよりも、快適に過ごせることでしょう。
プラネタリウム好きな人に同心円の座席を好む人が多いのは、そういう理由なのかもしれませんね。

※ この図も架空のドームです。必ずしもこのとおりではありませんので、大体の目安として考えてくださいね。

見やすい席・傾斜型ドームの場合

プラネタリウム・傾斜型ドームの注意点傾斜型ドームは全席が南に向き、また左右のゆがみが気になる壁際は通路になる場合が多いので、水平型に比べて、比較的見やすい席が多いようです。

しかし、ここでも気をつけなければならないのは南側に行きすぎないこと。傾斜ドームの場合はあまり下の席には行かないことです。

傾斜ドームは、観客の目線の下(地平線の下)にまで星を映し出し、まるで宇宙にいるような演出をすることが可能です。一方、通常の星空解説のような地上から見た夜空のシーンでは、地平線の下には風景を出すことになります。そのため下の席に座ると、目の前一面が地上の風景になり、壁画を見ているような状態になってしまうのです。

傾斜ドームでは、半分より上、それもなるべく上側の席のほうが見やすく、また傾斜ドームならではの演出も楽しめるでしょう。

見やすい席・まとめ

こうして考えると、座席やドームがどのタイプでも、北側の席は比較的快適に見られそうですね。
とはいえ施設によって様々な要因がありますので、実際に自分で座ってみて、南側が見渡せるか、本体が邪魔にならないか、ゆがんで見えないか、などをチェックしてみるといいでしょう。

さらに一番確実なのは、解説員・係員の人に聞いてみることです。
混雑時でなければ見やすい席を教えてくれるでしょうし、その日は無理でも、次回の参考になるかもしれません。(ただし、番組によって見やすい席が変わることもあります)
また施設によっては見やすい席、見づらい席をあらかじめ表示していることもありますので、大いに参考にしてくださいね。

★ 2025年2月追記:

ここしばらくの間に光学式投影機の小型化が進み、「投影機が邪魔で星が見えにくい」ということが以前よりも少なくなりました。また各施設で見やすい席・おすすめの席などを提示することも増えたようです。まずは実際にドームに行って、試してみるのがよさそうですね!

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